壁紙の選び方を、色彩理論から考えてみようと思います。

まずは、色彩の基本です。

色の分類と三属性

色は大きく分類すると、無彩色と有彩色に分けられます。

無彩色とは「色み」を持たない、白や黒、グレーのことです。

有彩色とは白や黒、グレー以外の「色み」を持った色のことです。

この「色み」を多くの人が共通して認識するための方法として、「色相」「明度」「彩度」の3要素を使って表すことがあります。

そのため、この3要素を「色の三属性」と言います。

■色相

 赤み、黄み、緑み、青みといった「色みの性質」です。

■明度

 明るい色、暗い色といった「色の明るさ」です。無彩色にも明度があります。

■彩度

 鮮やかな色、濁った色といった「色の鮮やかさ」のことです。

 明度と連動しているので、明度と彩度は混同されやすいです。

 

配色を考えるのに適したPCCS

PCCS(Practical Color Co-ordinate System)とは、財団法人日本色彩研究所によって開発された色彩体系で、色彩調和を主な目的にしているため、配色を考えるのに適したカラーシステムです。

PCCSでは、色は「ヒュー」と呼ぶ色相と、明度と彩度をまとめた「トーン」で表されます。

 

ヒュー(色相)

PCCSの色相環は、24の純色(色相の中で最も彩度が高い色)が選ばれ、1から24の番号が割り当てられています。

 

PCCS色相環

 

日本色研HPより

色相番号色相名  色相番号色相名
1:pR紫みの赤13:bG青みの緑
2:R14:BG青緑
3:yR黄みの赤15:BG青緑
4:rO赤みのだいだい16:gB緑みの青
5:Oだいだい17:B
6:yO黄みのだいだい18:B
7:rY赤みの黄19:pB紫みの青
8:Y20:V青紫
9:gY緑みの黄21:bP青みの紫
10:YG黄緑22:P
11:yG黄みの緑23:rP赤みの紫
12:G24:RP赤紫

 

トーン

そして、普段色を表すとき「薄い」「濃い」「明るい」「暗い」「鮮やか」「濁った」など、色の持つ印象やイメージを明度と彩度の領域で12のトーンと無彩色でまとめています。

 

 

PCCSトーン

日本色研HPより

トーンのイメージ

PCCSの各トーンには、それぞれのイメージを表す名称が付けられています。

そして、それ以外にも共通するイメージがあり、以下にその代表的なものをまとめました。

トーンの
略記号
名称イメージ
vビビット
(vivid)
さえた、鮮やかな、派手な、目立つ、いきいきとした
s
ストロング
(strong)
強い、くどい、動的な、情熱的な
bブライト
(bright)
明るい、健康的な、陽気な、華やかな
ltライト
(light)
浅い、澄んだ、子供っぽい、さわやかな、楽しい
pペール
(pale)
薄い、軽い、あっさりした、弱い、女性的、若々しい、優しい、淡い、かわいい
sfソフト
(soft)
柔らかな、穏やかな、ぼんやりした
ltgライトグレイッシュ
(light grayish)
明るい灰みの、落ち着いた、渋い、おとなしい
dダル
(dull)
鈍い、くすんだ、中間色的
gグレイッシュ
(grayish)
灰みの、濁った、地味な
dpディープ
(deep)
深い、濃い、充実した、伝統的な、和風の
dkダーク
(dark)
暗い、大人っぽい、丈夫な、円熟した
dkgダークグレイッシュ
(dark grayish)
暗い灰みの、陰気な、思い、固い、男性的
wホワイト
(white)
清潔な、冷たい、新鮮な
Gyグレイ
(Gray)
スモーキーな、しゃれた、寂しい
Bkブラック
(Black)
高級な、フォーマルな、シックな、おしゃれな、締まった

 

色の表示方法

PCCSでは色はヒュー(色相)とトーンで表され、色相番号2(赤)はビビットトーンなら「v2」、ライトトーンなら「lt2」、ダークトーンなら「dk2」と表します。

無彩色は白は「W」、黒は「Bk」、その他は「Gr」に明度を表す数字を付け「Gr-6.5」などと表します。

 

PCCSの詳しいことについては、日本色研のホームページを参照してください。

 

PCCSを使ったインテリアのカラーコーディネート手法については、下記記事を参照してください。

色の持つイメージでインテリアカラーを決める方法

 

 

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