色の持つイメージでインテリアカラーを決める方法
色の組み合わせを好みや感覚で決めるのではなく、配色のイメージを論理的に作り出し、色の持つイメージでコンセプトやメッセージを伝えることができます。
PCCSの色相やトーンの持つ傾向やイメージを使って、インテリアのカラーコーディネート例を紹介していこうと思います。
PCCSについてはこちらを参照してください。
ナチュラルなイメージ
ナチュラルのイメージは文字通り「自然な」ですが、植物から連想する若々しい、新鮮な、さわやかなイメージと土や木などから連想する穏やかな、素朴な、温もりのある、などの2通りのイメージがあります。
ここでは、前者を「フレッシュナチュラル」、後者を「ウォームナチュラル」として2通りのイメージでインテリアのカラーコーディネートをしてみます。
『フレッシュナチュラル』はさわやかなグリーンのイメージで
「フレッシュナチュラル」のイメージは若々しい、新鮮な、さわやかな、です。
色相はグリーン系を中心にイエローグリーン系(9:gY)からブルーグリーン系(16:gB)です。
トーンはブライト(b)、ライト(lt)、ペール(p)を主体にホワイト系を組み合わせます。
ベースカラーとなるフローリングには、色味を抑えた明るいメイプルを選び、建具や巾木も床材に合わせた色を選びます。
壁紙はホワイト系をベースに、薄いグリーン系の植物柄をアクセントクロスとすると清涼感が出て、よりさわやかであか抜けた印象となります。
カーテンもアクセントクロスと色を合わせるか、ホワイト系を選び、カーテンはカーテンレールの見えない正面付けとするとすっきりとした印象となります。
『ウォームナチュラル』はアースカラーでまとめる
「ウォームナチュラル」のイメージは、穏やかな、素朴な、温もりのある、です。
色相はオレンジ系(4:rO)からグリーン系(12:G)の範囲でまとめます。
トーンは穏やかな印象のペール(p)、ソフト(sf)、ライトグレイッシュ(ltg)、ダル(d)、ディープ(dp)、ダーク(dk)を使います。
ベースカラーとなるフローリングはフレッシュナチュラルよりも色味のあるバーチやオーク、ウォールナットを選びます。木目の美しいものを選ぶと
自然素材感がより出ます。
巾木、建具共にフローリングと色、柄を合わせます。
壁紙とカーテンはアースカラーを基本に選び、全体的に中~低彩度のベージュ系や茶系でまとめ強調色は使わないことで、やさしいイメージが出ます。
全体的にぼやけた印象となるときは、壁紙にアクセントクロスを使用するとメリハリがつきます。
カーテンレールは正面付けでレールを見せないか、木製のシンプルなデザインの装飾レールを使ってもいいと思います。
シックなイメージ
「シック」のイメージは渋い、洗練された、大人っぽい、です。
インパクトの強い色は含まず、やや色味を感じさせる無彩色系の色を組み合わせます。
中~低明度の無彩色やグレイッシュトーン(g、dk、dkg)をベースに、アクセントに有彩色を使います。
ベースとなるフローリングは茶色が強いとクラシックなイメージになるので、できるだけ色味の感じないカラーフローリングを選びます。
明度の低いものは重厚感があり落ち着いたイメージ、明度の高いものはシャビーシックなイメージになります。
巾木は床に合わせるかホワイト系で、高さのあるものを選ぶと高級感が出ます。
廻り縁はホワイト系か、使わずに目透かしにすると洗練された印象になります。
全体的に無彩色でまとめ、アクセントクロスかカーテンに有彩色を使ってメリハリを出します。
カーテンレールは天井を折り上げるかカーテンボックスにするとすっきりとして良いでしょう。